メカニカルキーボードの軸6種類を比較【2026】赤軸・茶軸・青軸の違いと選び方

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メカニカルキーボードの「軸」(キースイッチ)は、押し心地・音・入力される深さを決める主要な部品の一つです。本記事では、CHERRY社の公式ページに載っている仕様だけを使って、代表的な6種類(赤軸・茶軸・青軸・黒軸・銀軸・静音赤軸)を同じ物差しで比べます。実機は所有していないため、打ち心地の感想ではなく数値と構造の違いで整理しています。

先に結論:買わない方がいい組み合わせ

  • オフィス・通話中・家族が寝ている部屋で使う人は青軸を避ける。CHERRYは青軸を「With click(クリックあり)」と明記しており、クリック音は仕様上の特徴です。
  • 軽い押し心地が欲しい人は黒軸を避ける。黒軸の作動荷重は60cNで、赤軸(45cN)より15cN重い設計です。
  • 深めに押し込んでから入力される感覚が欲しい人は銀軸を避ける。銀軸は1.2mmの押し込みで入力されます(赤軸は2.0mm)。
  • どれを選べばよいか決め手がない人は、3系統(リニア・タクタイル・クリッキー)のどれが好みかを先に決め、その中で荷重と入力位置を比べるのが近道です。

軸の3系統:リニア・タクタイル・クリッキー

メカニカル式はキー1つごとに独立したスイッチを持ちます(シート全体で入力を検知する方式との違いはキーボードの方式比較で解説しています)。スイッチは押し下げたときの感触で3系統に分かれます。

  • リニア:押し下げる途中に段差(引っかかり)がありません。CHERRYの説明では、ステムの面がまっすぐなため「直接トリガーする」構造です。
  • タクタイル:押し下げる途中に触覚でわかる段差があります。クリック音は出ません。
  • クリッキー:段差に加えて、クリック音が出る構造です。

「クリック音」と「打鍵音」は別物です。クリック音はスイッチ自体が出す音で、リニアやタクタイルにはありません。一方、キーが底に当たる音やキーキャップの音はどの軸でも出ます。

6種類の公式スペック比較表

数値はすべてCHERRY公式の製品ページ(MX2A世代)に記載された値です:赤軸/茶軸/青軸/黒軸/銀軸/静音赤軸。「作動荷重」は入力が確定する力(CHERRYの詳細仕様の Actuation force、cN=センチニュートン)、「圧力点の荷重」は茶軸・青軸にある段差を越えるのに必要な力(同 Force du point de pression、仏語版の公式ページに併記)、「入力位置」は入力が確定するまでの押し込み深さ(プレトラベル)、「総ストローク」は底までの深さです。

軸系統作動荷重圧力点の荷重入力位置総ストローク公称耐久クリック音
赤軸(MX RED)リニア45cN-(段差なし)2.0mm4.0mm1億回超なし
茶軸(MX BROWN)タクタイル45cN55cN2.0mm4.0mm1億回超なし
青軸(MX BLUE)クリッキー50cN60cN2.2mm4.0mm5,000万回超あり
黒軸(MX BLACK)リニア60cN-(段差なし)2.0mm4.0mm1億回超なし
銀軸(MX SPEED SILVER)リニア45cN-(段差なし)1.2mm3.4mm1億回超なし
静音赤軸(MX SILENT RED)リニア(静音)45cN-(段差なし)1.9mm3.7mm5,000万回超なし

耐久回数はスイッチ単体の公称値で、キーボード製品全体の寿命ではありません。また、同じ「赤軸」でも旧世代品やキーボードメーカーの仕様表では数値が異なる場合があるため、購入するキーボードの仕様欄に書かれたスイッチ名を確認してください。

表から計算してわかること:「どこで入力されるか」の比率

入力位置を総ストロークで割ると、底までの何割の深さで入力されるかがわかります。

軸入力位置 ÷ 総ストローク
銀軸1.2 ÷ 3.4 = 約35%
赤軸・茶軸・黒軸2.0 ÷ 4.0 = 50%
静音赤軸1.9 ÷ 3.7 = 約51%
青軸2.2 ÷ 4.0 = 55%

銀軸だけが3分の1強の深さで入力され、しかも入力位置は赤軸より0.8mm(4割)浅い設計です。反対に青軸は半分を少し過ぎたところで入力されます。静音赤軸は赤軸と荷重が同じで、入力位置の比率もほぼ同じ(50%と約51%)なので、数値上は「赤軸の静音版」と言える設計です。

6種類それぞれの特徴

赤軸:軽めのリニア

作動荷重45cN・入力位置2.0mmのリニアスイッチです。作動荷重45cNは6種類の中で最も軽い値で(茶軸・銀軸・静音赤軸も同じ)、段差もクリック音もありません。「段差のない押し心地が好み」「重いキーは避けたい」人の基準になる軸です。

茶軸:段差がありクリック音は出ないタクタイル

作動荷重45cN(赤軸と同じ)・入力位置2.0mmで、押し下げる途中に段差(圧力点)があり、それを越えるには55cNが必要です。クリック音はありません。入力の手応えは欲しいが、青軸のクリック音は困るという人向けの選択肢です。

青軸:クリック音が出るクリッキー

作動荷重50cN・圧力点の荷重60cN・入力位置2.2mmです。入力位置は6種類の中で最も深く、作動荷重は黒軸(60cN)に次いで重い値です。CHERRYはクリックありと明記しています。音も含めて打鍵の手応えを楽しみたい人、自室で一人で使う人向けです。公称耐久は5,000万回超で、赤・茶・黒・銀(1億回超)の半分の表記です。

黒軸:重めのリニア

赤軸と同じリニア・入力位置2.0mm・総ストローク4.0mmで、作動荷重だけが60cNと重い設計です。重めの押し心地を好む人向けの軸です。

銀軸(スピードシルバー):浅く入力されるリニア

作動荷重は赤軸と同じ45cNですが、入力位置1.2mm・総ストローク3.4mmと浅い設計です。CHERRYは「フルハイトのCHERRY MXで最も速いモデル」と位置づけています。少ない押し込みで入力したいゲーム用途向けです。裏返せば、赤軸より0.8mm浅い押し込みで入力されるということでもあります。

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静音赤軸:クリック音なし・静音機構入りのリニア

作動荷重45cN・入力位置1.9mm・総ストローク3.7mm。CHERRYによると、ステムは2つの部品でできていて、特許取得の静音機構が組み込まれています。ステムの色はピンクで、「ピンク軸」と呼ばれることがあるのはこのためです。総ストロークが赤軸より0.3mm短い点が数値上の違いです。オフィスや深夜の作業、通話・配信をしながら打つ人の第一候補になります。

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用途別の選び方

使う場面候補の軸理由(仕様上の根拠)
オフィス・深夜・通話中静音赤軸クリック音なし・ステムに静音機構
手応えが欲しい文章入力茶軸段差あり・クリック音なし
軽い押し心地を優先赤軸45cN・段差なし
浅い入力を優先するゲーム銀軸入力位置1.2mm
重めの押し心地を好む黒軸60cNのリニア
自室で音も楽しみたい青軸クリック音あり

キーボード本体の選び方はメカニカルキーボード初心者向けの記事で、無線モデルはワイヤレスキーボードのおすすめでまとめています。

CHERRY以外の同じ色の軸は別物

軸の色はメーカー内での識別名で、メーカーが違えば同じ色名でも仕様が変わります。たとえばGATERONのPro Ultra Glory Red(赤軸)は、入力位置2.0mmはCHERRYの赤軸と同じですが、総ストロークは3.6mmで、CHERRYの赤軸(4.0mm)より0.4mm浅い設計です。荷重はGATERONがgf(グラム重)、CHERRYがcNと単位も表記方法も異なるため、本記事では並べて比べていません。同じページに載っているGlory Yellow(黄軸)はリニアで、入力位置2.0mm・総ストローク4mmです。GATERONには「Yellow」を名乗るスイッチが複数あるため、購入時は正式なシリーズ名で仕様を確認するのが確実です。

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購入前に確認したい3点

  1. スイッチの正式名:「赤軸」だけでなく、メーカー名とシリーズ名まで仕様欄に書かれているか。
  2. ホットスワップ対応か:対応していれば、合わなかったときにスイッチだけ交換できます。
  3. 複数の軸を手元で比べたいなら:スイッチ単体を並べたスイッチテスターで押し比べる方法があります。

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よくある質問

Q. メカニカルキーボードの軸にはどんな種類がありますか?

A. 押し心地で分けると、段差のない「リニア」(CHERRY MXの赤軸・黒軸・銀軸・静音赤軸)、途中に段差がある「タクタイル」(茶軸)、段差に加えてクリック音が出る「クリッキー」(青軸)の3系統です。色は同じメーカーの中での識別名で、メーカーが違えば同じ色でも仕様が異なります。

Q. 静かな軸を選ぶならどれですか?

A. CHERRY MXの中ではクリック音がなく、ステムに静音機構を組み込んだ静音赤軸(MX SILENT RED)です。青軸はメーカー自身が「クリックあり」と明記しているため、共有スペースには向きません。

Q. 軸は後から交換できますか?

A. はんだ付けなしでスイッチを抜き差しできる「ホットスワップ」対応のキーボードなら交換できます。非対応モデルはスイッチが基板にはんだ付けされているため、交換にははんだ作業が必要です。購入前に仕様欄でホットスワップ対応かどうかを確認してください。

この記事を書いた人

ガジェットピックス編集部

メーカーの公表スペックと各ECサイトで取得した価格をもとに比較しています。実機は所有していません。

最終更新: 2026年9月 ・ 編集方針を読む →

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